36佐藤満夫・山岡強一

東京山谷の日雇い労働者が直面する現実や、敵対する暴力団との闘いを記録した自主製作映画。この「寄せ場」の闘争を通じて映画という手段を選んだ佐藤満夫(1947-1984)は、撮影11日目に暴力団組員に刺殺される。その遺志を引き継いだ労働者のリーダー山岡強一(1940-1986)と制作上映委員会は全国の「寄せ場」を行脚するが、その山岡もやがて凶弾に倒れた。映画史的な文脈から独立して闘争手段としての映画の可能性に賭けた本作は、日本のドキュメンタリーにおいて類なきポジションを占める。

■3/6(金)3:00pmの上映は中止になりました。

樋口源一郎

  • 計107分

レオナルド・ダ・ヴィンチや南方熊楠のような知の総合を志し、世界的にも最年長の映画作家のひとりとして活躍した樋口源一郎(1906-2006)。幅広くPR映画に携わったのち、在野の生物学者として製作会社シネ・ドキュメントを設立、キャメラマン石井董久との共同作業により、特に菌類の生態記録の映画で高い評価を得た。落葉や枯木にいる粘菌のリズミカルな動きを捕捉した傑作『真正粘菌の生活史』や菌類を通じた世界へのメッセージである『きのこの世界』は、90歳を超えた樋口の不屈の精神を示した。

■3/6(金)7:00pmの上映は中止になりました。


  • 長瀬記念ホールOZU